歴史

トレーディングカードの概念がいつ発生したかは諸説があるが、トレーディングカードが盛んなアメリカ合衆国におけるトレーディングカードの区分は、19世紀末から煙草の販売促進目的で同封されたいわゆるTobacco Cardを嚆矢(こうし)としているものが多い。題材としては女優、自動車、風景など多岐に渡り、世界各地の都市で制作され流通した。その中で特にスポーツを題材としたものは人気が高かったようで、野球・サッカー・アメリカンフットボールや、オーストラリアにおいてはオーストラリアフットボールの選手を題材としたものも存在する。

その後、これらのカードは菓子や食品に同封される形で範囲を広げていく。日本においても戦前に東京六大学野球の花形スターを題材としたグリコのおまけカードが存在し、この流れの中に「お茶づけ海苔」に代表される永谷園商品に付録された東海道五十三次カードもあると考えられる。

菓子に同封されることによって、カード収集はおもに子供の趣味へと移行していく。アメリカにおいては1933年のGoudy Sports Kingなどを経て、1951年にTopps(トップス)社が蝋引き紙に自社のガムと野球選手のカードを封入したTopps Baseballを発売し現在まで新作を発売している。なお、Topps Baseballは1992年よりガムの封入と蝋引き紙を一部の商品を除きとりやめ、トレーディングカード商品のみの販売としている。Topps社は散発される各メーカーを買収したり、メジャーリーグ機構などと提携することでほぼ独占的な市場を保ったが、1980年に独占禁止法の抵触するという判決が下され、翌年にはFleer(フレア)、Donruss(ドンラス)の2ブランドからメジャーリーグを題材とするガムなど菓子を含まないカードのみの商品が発売されるに至る。

その後、1988年にScore(スコア)から初の両面カラー刷りのカードが発売され、1989年にはUpper Deck(アッパーデック)から「Collector's Choice」の謳い文句の元に6色印刷、両面ビニールコーティング、偽造防止のホログラム付きのカードが発売される。この時期アメリカ国内において、トレーディングカードが一部の投資家に投機対象と見られたこともあり空前のトレーディングカードブームの中での出来事であった。1990年にはUpper Deckが初めて同一時期に発売される同一商品の中に希少度の異なる「インサートカード」を本格的に封入したことにより、現在のトレーディングカードの基本的な形態ができあがった。

その後、アメリカにおいては選手の実使用グッズの切れ端を挟んだ「メモラビリアカード」と呼ばれるインサートや選手の直筆サインカードが生まれ、高級志向かつ珍しいカードを欲する裕福な大人のユーザーと高単価の商品を売りたいメーカーの思惑が一致し、急激な高価格化が進み、Tobacco Cardの時代とは別の意味で主に大人の趣味へと戻っていった。高級化・高価格化は止まるところを知らず2004年にはついにUpper DeckからNBA 04-05 UD EXQUISITE COLLECTIONという標準的な小売価格が1パック1000ドルを超える商品まで発売されるに至り、またDonrussがベーブ・ルースの現存する5枚のユニフォームの中の1枚を切り刻んでカードに封入する目的で購入したといったニュースも流れた。